提案を受け、暗礁に乗り上げた新製品開発が始動。開発費の抑制と製品の省エネ化を実現

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冷凍・冷蔵ショーケース製造G社様

東日本大震災以降、高まる省エネニーズ 着手すべきは

「冷凍・冷蔵ショーケース関連の消費電力が、店舗全体の50%以上を占めている」と、コンビニエンスストアを展開する取引先から聞いたG社様。その取引先から、ショーケース関連の消費電力を少しでも抑えたいという相談を受けたときのことでした。

コンビニ業界やスーパー業界の店舗展開に伴い、冷凍・冷蔵ショーケースの需要は堅調でした。その一方で、東日本大震災以降、省エネニーズが以前より遥かに高まっていると感じていました。

G社様はそれまでも、ショーケース内部の照明のLED化や、構造そのものの見直しによる冷却効率の向上など、省エネに向けた改善を重ねてきました。

しかし、手のつけられていない部分がありました。ファンに使用しているモータとその周辺部の改善です。

モータを変更することで電力消費を抑えられることは知っていた しかし・・・

G社様のこれまでの製品は、コストを重視してAC(交流)モータを使用していました。一方、DC(直流)モータではあれば消費電力が抑えられることは知っていたため、ACモータからDCモータに代替できないか、検討していたことがありました。

しかしDCモータに代替するには、DCモータを制御する基板を開発したり、DCモータや制御基板の設置スペースの設計を見直したりするなど、モータ以外で変更しなければならない点が数多くあります。実際に開発工数や費用を試算した結果、コストが全く見合わないことが分かり、結局DCモータの採用を断念した、という経緯がありました。

今回も他に代替手段も見つからず、新しいショーケースの開発は暗礁に乗り上げていたとのことでした。

そこでG社様は、以前から取り引きのあった当社に相談をされました。

制御基板はそのままでDCモータを搭載できる方法を提案され、開発を本格的にスタート

ご相談を受けて、当社の営業担当者は「既存の制御基板の設計はそのままで、DCモータを搭載する方法があります」とお伝えしました。提案したのは当社の『AC入力ブラシレスDCモータ』でした。

「この『AC入力ブラシレスDCモータ』は、AC(交流)電力を入力のままとしながらも、直流で動くDCモータが駆動するという、使い勝手の良さとエネルギー効率の高さを追求したモータです。このDCモータは環境基準の厳しいヨーロッパでも採用されています」とG社様にご説明いたしました。

このDCモータの最大のメリットは、制御基板は既存のものをそのまま使いモータだけを置き換えることができる、という点でした。『AC入力ブラシレスDCモータ』はACからDCへの変換を自身で行うため、制御基板を作り直す必要はありません。そのため、制御回路設計にかかる工数やコストをかけずに採用できます。

またACモータから『AC入力ブラシレスDCモータ』に置き換えることで、エネルギー効率が平均して約50%向上します。G社様は、このモータを搭載できれば取引先が求める省エネ化に対応できると考えました。

モータに加えファンの知識も豊富なスタッフによるサポートで早期解決

さらに、このモータはカスタム製品であるものの小ロットでの供給が可能とお伝えしたところ、G社様は、ショーケースの需要に合わせて細かく対応できそうだと判断されました。G社様は取引先業界の省エネ基準をクリアするショーケースの開発をスタート。当社も参画することになりました。

当社ではモータのみならずファンについても知見があり、専門知識を持った当社担当者からアドバイスをさせていただきました。そしてG社様が想定していたよりも早く、新しいショーケースを製品化することができました。

『AC入力ブラシレスDCモータ』の搭載もあり、省エネ対応のショーケースは消費電力の目標値を実現することができました。

課題

  • 製品のさらなる省エネ化に、ファン用モータ部の改善を行いたい
  • DCモータは低消費電力であることを知っているが、周辺の設計見直しが膨大

対応

  • 既存の制御基板のままDCモータに置き換える提案
  • ロットの小さい製品でもモータのカスタム対応が可能
  • ファン設計のノウハウも駆使し製品開発を促進

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