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高効率モータのすべて



地球温暖化防止の一環として二酸化炭素の排出量を削減するため、国際的に化石エネルギーの使用量抑制が求められています。
本ページでは、主に省エネ目的で技術開発が進む高効率モータについて、制度、設計、種類、用途などについて解説します。
また私たちシナノケンシが得意とする小型モータについてもご説明します。

1.高効率モータに関する制度のあらまし

1998年に省エネルギー対策強化を目的として、省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)が改正されました。この際、エネルギー消費効率基準にトップランナー方式を採用した、「トップランナー制度」が導入されました。
詳しくは「国内の高効率モータの制度」で解説をしています。

1-1.省エネ法とは

省エネ法は石油危機をきっかけとして、1979年(昭和54年)に制定されました。その後、社会環境の変化に合わせた改正が随時行われています。

1-2.トップランナー制度とは

トップランナー制度とは、自動車・家電・OA機器などの「特定機器」として指定された製品の省エネルギー基準を、国内に出荷されている製品のうち、最も優れた製品の性能以上にしなければならない、という制度です。2017年12月現在、「特定機器」として指定された32品目の製品が対象となります。
モータに関しては、特定機器に単体として指定されているものと、単体としては指定されていないがモータが組み込まれる製品が指定されているものがあります。

2.高効率モータとは

高効率モータとは、文字通りモータが消費する電力に対して、出力される駆動性能、すなわちエネルギー効率が良いモータを指します。
私たちは、高効率モータを制度上・設計上の2つの視点で分類し、以下にご説明します。

2-1.制度上の高効率モータ

トップランナー制度で指定された特定機器の目標基準値は、モータ単体として指定されているものと、モータが部品として組み込まれた最終製品として指定されているものがあります。

2-1-1.モータ単体の場合

トップランナー制度において、モータ単体では特定機器として三相誘導電動機が指定されています。
三相誘導電動機は、大型ポンプ、送風ファン、生産ラインのベルトコンベヤ駆動など産業分野で広く用いられています。
三相誘導電動機の効率は、JIS規格(JIS C 4034-30)において、4段階の効率クラスが設けられ、効率の低いものから、IE1,IE2,IE3,IE4と分けられています。これらの中で、IE2以上が高効率モータとされています。
2013年11月、モータのトップランナー化に向けた政省令・告示改正(交流電動機の追加等)がされました。これにより2015年度を目標年度(※)として、モータ効率規格の目標基準値は、プレミアム効率(IE3)と規定されました。基準値を達成したモータをトップランナーモータと言います。
※目標年度とは、機器の製造事業者、輸入事業者が特定機器について、目標基準値を達成すべき年度、すなわち規制が開始する年度を指します。
私たちは単体で用いられる三相誘導電動機を、主に大型モータと分類し、「大型の高効率モータ」で解説しています。

2-1-2.製品に組み込まれる場合

エアコンや冷蔵庫など家電製品や、複写機などOA機器の一部は、トップランナー制度の対象となる特定機器に指定されています。これらの特定機器は、モータ単体と同様に、製品ごとに省エネの基準値があります。基準値を達成するためには製品設計においてトータルな高効率化が必要であり、その構成部品であるモータも効率化向上に重要な役割を担っています。
私たちは家電製品などに組み込まれるモータを、主に小型モータと分類し、「小型の高効率モータ」にて解説しています。
トップランナー制度に沿ってモータの効率向上を図り、省エネ性能を向上すると、消費電力量の削減、電力料金の低減ができ、CO2の排出量削減につながります。

2-2.設計上の高効率モータ

トップランナー制度において、モータ単体で指定されている三相誘導電動機と、特定機器として指定されているエアコンなどの家電製品に組み込まれるモータでは、モータの設計や設置時の検討事項が異なります。

2-2-1.モータ単体の場合

主に産業部門で用いられる三相誘導電動機のうち、周波数50Hz/60Hz、定格出力が0.75kW以上375kW以下、定格電力が1000V以下などで定義される製品の省エネ性能は「トップランナーモータ」として規制をされています。
2015年度以降、工場の生産設備などで上記のモータを新設・更新する際は、決められた効率クラスのモータを利用しなければなりません。既存のモータを更新する場合、トップランナーモータは、同じ負荷で運転すると速度増加に伴い電力が増加する傾向があるなど、設計には注意が必要です。
私たちは、単体モータで規制されているモータを大型モータと分類し、「大型の高効率モータ」にて解説しています。

2-2-2.製品に組み込まれる場合

トップランナー制度において、特定機器として指定された家電やOA機器の省エネ性能基準を満たすためには、製品設計においてトータルな高効率化が必要となります。
例えばファンモータの場合、モータ単体の性能向上だけでなく、ファンの形状、重量、材質といった物理的要素や、駆動を制御するプログラムなども重要な要素です。
私たちは、製品に組み込まれるモータの設計を、小型モータの設計と分類し、「小型の高効率モータ」にて解説しています。

3.海外の高効率モータの制度

高効率モータのうちトップランナー制度において、モータ単体で指定されている三相誘導電動機は、国際的にも規制の対象となっています。効率クラスは国際電気標準会議(IEC)で定められています。
くわしくは「海外の高効率モータの制度」で解説しています。

3-1.国際電気標準会議とは

国際電気標準会議(IEC)とは、電気・電子工学及び関連技術を扱う国際的な標準化団体です。IEコード(IEC)規格は、規則群、規格適合、IT技術等の範囲で、国際標準化機構(ISO)とも連携しています。

3-2. 効率クラスについて

三相誘導電動機の省エネ性能は、国内のJIS規格と同様にIEC規格に基いて、IE1〜4までクラス分けされています。効率クラス性能の低いものから、IE1、IE2、IE3、IE4となっています。

3-3.各国の制度

海外も各国で規制を設け、モータを高効率化することで、省エネを推進しています。規制の基準は主に国際電気標準会議で示したクラスを基にしていますが、中国のGB規格のように独自の規格を設けている国もあります。海外にモータを輸出する際は、それぞれの国の制度に準じた対応が求められます。
各国の具体的な規制については「海外の高効率モータの制度」にて概要を解説しています。

4.大型高効率モータ

モータを大型・小型と分類する場合、モータの大きさではなく、出力の大小を意味しています。一般的に大型モータは100Wを上回るもの指します。
くわしくは「大型の高効率モータ」で解説しています。

4−1. 大型高効率モータの種類

大型高効率モータは、構造・動作原理・制御方法などにより、インダクションモータ、サーボモータ、永久磁石モータなどに分類しています。モータの特性と用途から、適切なモータを選択します。

4-2.大型高効率モータの用途

大型の高効率モータは、主に産業分野で利用されています。具体的には汎用的なファン・ポンプ・コンプレッサーの駆動装置、加工機・産業用ロボットといった工場設備、さらには油田発掘や風力発電などのエネルギー設備等、様々な産業分野において大型の高効率モータが活用されています。

5.小型高効率モータ

小型モータは主に容量100W以下のものを指し、一般的な家電やコンピュータ、音響機器などで利用されています。さらに容量3W以下のモータは、「超小型モータ」または「マイクロモータ」と呼ばれることもあります。
小型モータはモータ単体では省エネ制度上の規定はありません。しかし、モータが組み込まれた製品が省エネ規制であるトップランナー制度の特定機器となる場合があり、その場合は高効率化が求められます。
くわしくは「小型の高効率モータを理解するには」で解説しています。

5-1.小型高効率モータの種類

一般的な小型モータを分類する基準はありませんが、私たちは小型モータを動作原理などにより、ブラシレスモータ、直流モータ、同期モータ、誘導モータ等に分類しています。それぞれのモータの特徴や用途などは、「小型の高効率モータを理解するには」で解説をしています。

5-2.小型高効率モータの用途

小型高効率モータは、空調機器、住宅設備、給湯器、バーナーユニット、環境機器、お風呂周り製品、自動販売機、冷凍冷蔵庫(ショーケース)、金融端末、産業機器、光学製品、プリンタ、複写機、健康機器、商用機器など、日常生活をとりまく様々な場面で利用されています。
事例の詳細は、「小型高効率モータの用途」で解説しています。

6.シナノケンシの高効率モータ

私たちシナノケンシは、高効率モータの設計にあたり、効率性向上に最適なモータとして、小型のDCブラシレスモータを基本としています。
私たちがご提供するモータは、予め用意した部品を組み合わせる標準品と、一から部品レベルを設計するカスタマイズ品の2種類をご用意しています。
くわしくは、「シナノケンシの高効率モータ」で解説しています。

6-1.シナノケンシの標準品

シナノケンシでは、モータのコア(鉄心)、モータケース等、標準パーツを組み合わせ、お客様のご要望に近いものをご提案します。モータ単体だけでなく、ファンなどの周辺機器も取り揃えています。
例えば、ファンモータは、シロッコ型(高風量、低圧力)とターボ型(低風量、高圧力)の2種類をご用意しています。

6-2.シナノケンシのカスタマイズ品

シナノケンシのカスタマイズ品は、お客様の設計目的に合わせてご提案をします。
モータ単体だけでなく、トータルでの高効率化を狙います。
例えばファンモータは、ターボファンの羽根とケーシングを自社設計し、ファンの効率とモータの効率を動作点で摺り合わせ、高い総合効率を実現します。

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